⾼度⽣殖医療

⾼度⽣殖医療とは

⽣殖補助医療(Assisted Reproductive Technology:ART)といい、
卵⼦や精⼦を体外に取り出して⾏う不妊治療のことです。
タイミング療法や⼈⼯授精を何度も⾏ったが妊娠が成⽴しなかった患者様や、
卵管が詰まっているなどの理由で体内での受精が難しい患者様にすすめています。
体内での妊娠を助ける⼀般不妊治療と違い、
ARTは受精から発育までの妊娠への過程部分を体外で⾏います。
そのため⼀般不妊治療よりも⾼額になり、
また採卵のため針を体へ刺さねばならず経済的・⾝体的にも負担が増してしまいます。
しかし⼀般不妊治療で妊娠の成⽴が難しい患者様に対して、
最新の機器と技術を駆使することで妊娠率のアップを図ることができます。

⽯川県 不妊治療の助成について

体外受精とは

体外受精・胚移植法(⼀般に体外受精と呼ばれている治療法です)は、
不妊症の治療法です。⽇本でも⽇本産科婦⼈科学会の承認を経て多くの施設で実施されており、
2017 年には誕⽣した⼦どものおよそ16 ⼈に 1 ⼈が体外受精により
出⽣したと⽇本産科婦⼈科学会より調査報告されております。

1体外受精・胚移植法による不妊症治療を⾏う理由と条件
体外受精・胚移植法による不妊症治療は、次のような場合で他の⽅法では妊娠の可能性が皆無または極めて低いと判断された場合に⾏われます。
  1. 1

    卵管性不妊:卵管の⽋損・閉塞または卵管采周囲の⾼度の癒着があって、卵管再建術などの外科的治療を⾏っても妊娠が期待できない場合。

  2. 2

    男性不妊:無精⼦症、⾼度の乏精⼦症で、夫婦間⼈⼯授精(AIH)によっても妊娠の⾒込みがない場合。

  3. 3

    免疫性不妊:⾼濃度の抗精⼦抗体があり、妊娠が期待できない場合。

  4. 4

    原因不明不妊:系統的検索によっても原因が不明で、種々の治療法によっても妊娠せず、不妊期間が⻑期にわたる場合。

2体外受精・胚移植法の実施⽅法概略と副作⽤

まず、ホルモン剤(注射および内服)により、卵胞(卵巣にある卵子を包む袋)を発育させます。卵胞が十分に発育し た時点で、超音波で観察しながら腟から卵胞に向かって針を刺し、卵胞内の卵子を吸引して体外に取り出します。卵子 は培養器に入れて精子とともに培養し、受精するのを待ちます。(卵子と精子を一緒にして培養しても受精しない場合 には、精子をガラス細管に吸い取って顕微鏡下に卵子の細胞質内に精子を注入して受精させることがあります。これを 顕微授精法と呼んでいます)。媒精翌日に 2 前核の存在にて授精確認とし、正常に発育してきた受精卵(胚)を子宮内 に返して、着床させます。うまく着床すれば妊娠です。妊娠が成立し、胎児心拍が超音波断層法で確認できれば、以後 は自然妊娠と同じように妊婦検診を受けていただきます。
採卵は基本的には外来にて行います。また、採卵針が誤って血管を穿刺した場合には、緊急開腹手術や入院安静が必要となることがあります。卵胞の発育が不良な場合には、採卵が不可能な場合や、採卵自体がキャンセルされることがあります。
排卵誘発(卵巣過剰刺激)を行うことにより、一度に多くの卵子を採集できるようになります。しかしながら、場合に よっては卵巣が過剰に腫大して腹水がたまり、呼吸困難に陥ることがあります(卵巣過剰刺激症候群)。この疾患は放置すると生命にかかわる疾患ですので、早期に適切な治療を行う必要があります。 1回の採卵で、多数の受精卵が得られた場合には希望により余剰卵を凍結保存します。保存した受精卵は、後の周期に子宮に返すことができます。
さらに、胚移植後のリスクとして異所性妊娠(卵管、腹腔内、頸管妊娠など)の増加や一卵性双胎などの頻度の増加などの報告もありますが、これらは体 外受精であるがゆえに明らかに頻度が高いと断定できるものではございません。

3体外受精・胚移植法の成績

多くの施設では、妊娠率は30%前後となっています。全国の体外受精の治療成績では、新鮮胚では、移植あたりの妊娠率:21.4%、流産率:25.2%、移植あたりの出産率:15.0%、凍結胚では、移植あたりの妊娠率:34.4%、流産 率:25.9%、移植あたりの出産率 23.9%で、妊娠率および出産 率は凍結胚移植の方が高いと思われます。児の⻑期的な予後に関しては、まだ不明とされております。

4体外受精・胚移植法の実施に伴う責任

体外受精・胚移植法による不妊治療は厚生省の認めた保険診療行為の範囲外です。したがって、保険の効かない自由診療という形で行われます。患者夫婦の希望に基づいて診療行為が行われ、費用は患者夫婦が全額負担するというものです。
排卵誘発・採卵・麻酔等の医療行為は、産婦人科専門医により十分注意して行われますが、ヒトの体を扱うわけですから100%安全であるとはいえません。ある程度の危険が伴うことは、あらかじめ了解しておいていただく必要があります。

5不妊治療(精⼦数・運動率、卵の質的向上)への代替⼿段

当院では、不妊治療(精子数・運動率、卵の質的向上)への代替手段として、従来からの治療としての AIH(パーコール 法)、Gn-RHアゴニスト等による子宮内膜症治療はもちろんのこと、当クリニック独自の抗酸化能の強いサプリメン トを用い多くの治験を行い良好な結果を得ており、必要または希望に応じてこのサプリメントを使用していただくこととしております。

6カウンセリング

治療前はもちろんのこと、治療中、治療後に疑問を感じる事があればいつ何時でもカウンセリングを受けていただくことができますので、遠慮なくお申し出ください。

7学会報告

体外受精実施登録施設は、その実施結果を日本産婦人科学会に毎年報告する義務があります。

顕微授精(ICSI)とは

適応と要件

顕微授精による体外受精法は、難治性の受精障害がありこれ以外の治療法によっては妊娠の見込みがないもしくはきわめて少ないと判断される場合に限って行われる治療法です。これには、

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    精子数が少ない(およそ50万/ml以下)

  2. 2

    精子に受精能力がない。あるいはきわめて低い精⼦症、⾼度の乏精⼦症で、夫婦間⼈⼯授精(AIH)によっても妊娠の⾒込みがない場合。

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    精巣上体精子や精巣内精子を使った体外受精

などの場合があります。実施に当たっては、夫の精子がある(射精精子でなくてもよい)ことが条件で、精巣内精子の場合には精子細胞に尾部がみられる段階まで発育したものである必要があります。したがって、精巣の生検によっても尾の生えていない未熟な円形精子細胞やその他の細胞(体細胞)などしか得られない場合には顕微授精は施行できません。

実施⽅法

通常の体外受精の場合と同様に卵胞穿刺により卵子を回収します。卵子の周囲にある顆粒膜細胞を除 去した後、顕微鏡下に卵子を置きます。針状に先端をとがらせた細いガラス管の先端に精子を一匹だけ吸い込んだ後、針で静かに卵子を刺し透明帯と呼ばれる殻を貫通して卵子の細胞質内に入れます。そ の後、静かに精子を押し出し、細胞質内に精子を残して針を引き抜きます。その卵子を培養液に入れ、2 ないし6日間さらに培養を続けます。翌日に2つの前核が観察されれば、受精卵と判断できます。 精子は、射出精子、精巣上体精子あるいは精巣内精子などが使われます。一定の方法で精子を回収・ 洗浄し、顕微鏡で観察して形態学的に良好と判定された精子を顕微授精に用います。

成績と現状

新鮮胚移植での移植あたりの妊娠率は、体外受精:23.1%、顕微授精:19.2%、移植あたりの出産数は、体外受精 16.2%、顕微授精 13.2%で体外受精に比べともに低いと報告されています。

顕微授精の問題点

難治性の受精障害に対しては、顕微授精法はもっとも確実な治療法ですが、以下のような問題点が指摘されています。 そこで、本治療法の実施の前にこれらの問題点について十分にご理解していただく必要があります。

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    流産率に関しては、新鮮胚移植での体外受精:24.3%、顕微授精:26.7%でやや高いと報告されております。

  2. 2

    先天異常に関しては自然妊娠と比べ体外受精:1.07倍、顕微授精:1.57 倍と顕微授精では異常率は高いという報告や、児の染色体異常率は自然妊娠などに比べて2ないし4倍程度高いとする報告もありますが、いずれにしろこの異常率の増加は、顕微 授精手技の実施によって生じたものではなく、顕微授精によらなければ妊娠しないということに関連した精子あるいは 卵子の異常に起因するものと考えられています。つまり、顕微授精による治療が必要な夫婦の染色体には、もともと何らかの異常がある率が高いということです。したがって顕微授精の手技自体は比較的安全と考えられています。

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    顕微授精の対象となる男性(精子数が50万/ml以下)の5-10%に、Y染色体の一部の領域(AZF領域)に 欠失があります。この欠失は、精子数の減少や受精能力の低下の原因となっています。この欠失は、男児の場合にはほぼ100%の確率で受け継がれます(女児の場合には異常は受け継がれません)。したがって、父親に欠失があって精子数の減少などの症状がみられる場合には、男児にも同様な症状が出現すると考えられます。つまり、不妊症が遺伝することになります。

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    クライフェルター症候群などの疾患(性染色体の異常によって生じる比較的稀な疾患です)がある場合には、一部の精子に染色体異常が生じていることがあります。顕微授精に使う精子をあらかじめ選別して染色体異常のない精子を使う技術は、いまのところ確立されていません。したがって、顕微授精によって妊娠したした場合に児になんらかの性染色体異常が生じる可能性があります。

体外受精・顕微授精の費用

体外受精・顕微授精料金の目安

採卵 顕微授精
(3個まで)
胚培養 胚凍結
(3個まで)
凍結保管料
(3,000円/月)
胚解凍 胚移植
採卵ー新鮮胚移植 80,000 100,000 100,000 280,000
採卵ー凍結胚移植 80,000 100,000 30,000 3,000 30,000 100,000 343,000
採卵ー顕微授精ー新鮮胚移植 80,000 30,000 100,000 100,000 310,000
採卵ー顕微授精ー凍結胚移植 80,000 30,000 100,000 30,000 3,000 30,000 100,000 373,000
採卵ー発育停止 80,000 50,000 130,000
採卵0個 50,000 50,000

顕微授精 (4個以上 5,000円/個) 胚凍結(4個以上 5,000円/個)となります。

  • ※税抜き表示のため消費税10%がかかります。
  • ※上記の他に診察料・お薬代・消耗品などの費用がかかります。
  • ※お支払いは、診察毎にその都度おねがいします。

吉澤レディースクリニック

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